カメラ機材Q&A

【初心者必見】PLフィルターのデメリット・効果・使い方・寿命・注意点などを紹介!

「最近、PLフィルター購入したばかりですが、デメリット・メリットが知りたい‥‥」

上記の疑問に答えますね!

先に結論を言うと、デメリット・メリットは以下の通り▼

デメリット           ・露出が下がる。        ・偏光ムラやケラレが発生する。    ・レンズフードが使いにくくなる。

メリット            ・反射を抑える。        ・色彩を鮮やかに表現する。

正しい使い方を理解すればより綺麗な写真も撮れますし、経年劣化を防ぐことは可能です。

今回、購入したばかりの初心者に向けてPLフィルターのデメリット・メリット(効果)・使い方・寿命・注意点などを私の経験も含めた上で以下紹介します▼

本記事の内容

・正しい使い方         ・デメリット・メリット(効果)   ・寿命             ・つけっぱなしにしてはいけない理由 ・注意点

5分程度の内容なので、気になる所をタップ!

PLフィルターとC-PLフィルターの違い

PLフィルターにはPLフィルターとC-PLフィルター(円偏光フィルター)の2種類があります。

主な違いは1/4位相差板の有無です。
効果についてはほぼ変わりません。

ほとんどのカメラは一眼レフを含めてオートフォーカス(AF)を採用しており、1/4位相差板が無いと露出が狂ったり、ピントが合わなくなる現象がおきます。

仮に一眼レフにPLフィルターを使うと、光の取り込む量や振動方向によりオートフォーカス(AF)が正常に作動しなくなりピントが合わなくなります。

上記の問題を解決するためにオートフォーカス(AF)カメラ用にC-PLフィルター(円偏光フィルター)が登場したのです。

また、店頭のほとんどはC-PLフィルターがメインに販売されており、購入の際はC-PLフィルターをおすすめします。

違いは1/4位相差板の有無だけであり、現在店頭での販売はC-PLフィルターが主流です。

ミラーレスにPLフィルターの使用と言われていますが、最新のミラーレスカメラだと使用をおすすめしません。

詳しくは「kenko tokina Q&A」のページをご覧下さい。

PLフィルターの正しい使い方

PLフィルターの正しい使い方は前枠を回して効果を調整しながら使います。

回転しながら効果を調整するのです。

撮影する際はカメラを構えながら、フィルターを回して実際の効果を確認します。

青空の場合

青空の場合、太陽を背にした状態でカメラを90°の向きにして撮影するとPLフィルターの効果が出ます。

簡単に言うと、順光状態でカメラを少し上に向けて撮れば効果が出ると言うことです。

川や水面の場合

川や水面の場合、平面に対してカメラを30°-40°の向きにして撮影するとPLフィルターの効果が出ます。

簡単に言うと、水面に向けてカメラを少し下に向けて撮れば効果が出ると言うことです。

調整により効果は違う

葉や青空を鮮やかに撮るにも、反射を消すにも回す角度の調整により効果は違います。

実際に葉の写真を2枚並べると回す角度により効果の差が出ています。

水面の反射も上記の葉の写真と同様に回す角度により効果が違います。

調整により効果は違うので、撮影状況に応じて効果を最大・最小に分けて撮るのがベストな使い方です。

次にPLフィルターのデメリット・メリットについて説明しますね!

PLフィルターのデメリット

最初にPLフィルターにはデメリットを以下説明しますね▼

・露出が下がる。
・ムラやケラレが発生する。
・レンズフードが使いにくくなる。

▲上から順に見て行きましょう。

露出が下がる。

PLフィルターは構造上、偏光膜により取り込む光の量が少なくなります。

取り込む光の量が少なくなることは、露出が下がる原因となります。

露出が下がる分、外した時と比べてシャッター速度が1-2段落ちますし、ISO感度をあげなければなりません。

本来、1/250秒のシャッター速度で切れる場所でPLフィルターをつけると1/125秒・1/60秒に落ちてしまいます。

シャッター速度や露出を補う分、ISO感度も上げなければならないので画質の低下にも繋がるのです。

特につけっぱなしの方や動く被写体を撮る方は手ぶれが起こりやすくなります。

偏光ムラやケラレが発生する。

場合により、偏光ムラやケラレが発生します。

特に広角レンズの場合は画角が広く、効果が出る所が出ない所が映るので偏光ムラが発生しやすく、ケラレが発生することもあります。

広角レンズで撮影すると四隅にケラレが発生する。
写真の右上部分がとても濃く見えて、中央部分は薄く見える。(右上に偏光ムラが発生している状態)

作例のようにPLフィルターには効果の出る範囲があるので、広角レンズではなくても偏光ムラが発生するのです。

広角寄りにしすぎるとケラレが発生することもあります。

PLフィルターで青空を撮影する際は偏光ムラやケラレが発生することがあるので注意が必要です。

広角レンズで撮影すると、必ず偏光ムラが発生するので注意すること。

レンズフードが使いにくくなる。

PLフィルターは取り付け後、回転枠を回して調整するため、レンズフードをつけると調整するのが難しくなります。

レンズフードをつけたまま調整することは可能ですが、至難の技であり大変です。

そのため、PLフィルターをつけたらレンズフードを取り外す必要があります。

場合により、レンズフードを外すとフレアやゴーストが入りやすくなることもあります。

レンズフードに穴を空けるメーカーも以下存在する▼

キャノンサービスセンター

PLフィルターのメリット(効果)

次にPLフィルターにはメリットを以下説明しますね▼

・反射を抑える。
・色彩を鮮やかに表現する。

▲上から順に見て行きましょう。

反射を抑える。

水面・葉・ガラス面などの反射を抑制する効果があります。

具体例は以下の通り▼

PLフィルター無し
PLフィルター有り

上のPLフィルター無しの方は光の反射で川が白っぽく映っています。

一方、下のPLフィルター無しの方は光の反射を押さえることで白っぽさが無くなり、水の透明感も増しました。

PLフィルターだと水面・葉・ガラス面などの反射する光を抑制する効果があります。

色彩を鮮やかに表現する。

葉のテカリや大気中の光の反射などを抑制するので緑・紅葉・青空などの色彩を鮮やかに表現してくれます。

緑・紅葉の場合

今回、緑を例に具体例を見てみましょう▼

PLフィルター無し
PLフィルター有り

PLフィルター無しの方は葉のテカリや大気中の反射などで全体がもやっと映っています。

下のPLフィルター有りの方は葉のテカリや大気中の反射を押さえることで緑色が鮮やかとなりました。

青空の場合

具体例を以下見てみましょう▼

PLフィルター無し
PLフィルター有り

両方共、十分に青空が青く写っていますが、PLフィルター有りの方は大気中の反射や露出を少し抑えたことで無しと比べて青空がより青くなりました。

反射や露出を抑えることにより、緑・紅葉・青空をより鮮やかに表現する効果があります。

PLフィルターの寿命

PLフィルターには寿命があり、黄色っぽく変色してきます。

寿命があるのは、PLフィルターの心臓部である偏光膜が経年劣化を起こすからです。

長持ちさせる保管方法

PLフィルターを長持ちさせるには保管方法も重要です。

保管するときは以下の場所は避けて下さい▼

・直射日光が当たる場所
・高温の場所
(夏場での車の車内)
(高温の室内等)

PLフィルターの心臓部である偏光膜は熱や高温に弱いからです。

熱や高温にさらされると経年劣化が早まる原因にもなるので、なるべく熱や高温を避けて保管すると良いでしょう。

つけっぱなしにしてはいけない理由

特に風景写真を撮る方はPLフィルターをつけっぱなしにする方もいますが、つけっぱなしはおすすめしません。

理由は以下の通り▼

・寿命が短くなる。
・フレアやゴーストが出やすくなる。

上から順に説明しますね!

寿命が短くなる。

つけっぱなしにすると外した時と比べて、直射日光や高温にさらされるリスクが高くなり寿命が短くなる原因となります。

PLフィルターの偏光板はヨウ素で作られており、熱に弱いのが特徴。

その為、つけっぱなしにすると直射日光や高温にさらされ、偏光板の劣化が早まります。

偏光板の劣化が早まる=寿命の短くなる原因となるのです。

PLフィルターのつけっぱなしは外した時と比べて、偏光板の劣化が早まり寿命が短くなる原因となります。

車の中に入れっぱなしも高温にさらされるリスクが高くなるのでおすすめしません。

フレアやゴーストが出やすくなる。

写真はイメージ

場合により、フレアやゴーストが出やすくなります。

PLフィルターは何枚層の構造となっており、フィルター内で内部反射します。

フィルター内で内部反射すると、外した時と比べてフレアやゴーストが出やすくなります。

PLフィルターのつけっぱなしはフィルター内で内部反射し、フレアやゴーストが出やすくなる原因となるので注意が必要です。

PLフィルターの注意点

PLフィルターを使用する際、3つの注意点があります。

注意点は以下の通り▼

・効果を最大限にするものではない。
・ただつけただけでは効果が薄い。                      ・真正面から撮ると効果がない。
・金属や鏡の反射には効果がない。

上から順に説明しますね!

効果を最大限にするものではない。

plフィルターを使う際によくありがちなのが、効果を最大限にすることです。

しかし、効果を最大限にして使うと緑や水面の写真が不自然な絵になってしまいます。

PLフィルター最大限 色鮮やか過ぎて、反射も完全除去しているので不自然な感じ
PLフィルター調整 色鮮やか過ぎず、反射も適度に残って自然な感じ

▲実際に効果を最大限して反射を取り除いた写真(上)と反射を調整した写真(下)を並べると、上の最大限の方が不自然な感じです。

肉眼だと川は流れているのに、カメラでは川が流れていない不自然な感じとなります。

緑の場合、効果が効きすぎると鮮やか過ぎて不自然な感じとなります。

効果を最大限ではなく、調整程度で使うのがおすすめです。

ただつけただけでは効果が薄い。

初心者に多いのが、使い方を知らずにただつけて使うことが良くあります。

しかし、他のフィルターと同様にただつけただけでは効果がわからないし、場合によっては効果が薄いことがあるのです。

PLフィルターは他のフィルターと違い、1枚ではなく真ん中に偏光膜を挟んだ2枚構造となります。

2枚構造となるので、前面にある回転枠を回転させないと効果は発揮しません。

私も最初の頃は回転枠を回転させないで良く使っていました。

他のフィルターと違い、偏光膜を挟んだ2枚構造なので回転枠を回転させないと効果は発揮しないのです。

真正面から撮ると効果がない。

先ほどもお伝えした通り、PLフィルターは角度をつけないと効果は発揮しないので、真正面から撮影しても効果はありません。

PLフィルターの効果は光とカメラ(レンズ)を向けている方向に密接な関係があり、光の方向に対して角度をつけなければなりません。

つまり、真正面からだと光の方向に対して角度がついていないため、PLフィルターをつけても効果が発揮しないのです。

PLフィルターをつけたまま真正面で撮影しても効果はないこと。

金属や鏡の反射には効果がない。

PLフィルターは全ての反射を除去するわけではなく、金属や鏡の反射には効果がありません。

金属や鏡の反射には偏光が生じないからです。

具体的を見てみましょう▼

C-PLフィルター無し
C-PLフィルター有り

PLフィルターを装着しても光の反射(写真右側部分)が消えていますが、鏡に映るマウスの反射は消えていません。

偏光が生じない分、金属や鏡の反射はPLフィルターでは効果がないのです。

PLフィルターデメリット・メリット・使い方・寿命・注意点 まとめ

今回、PLフィルターデメリット・メリット(効果)・使い方・寿命・注意点などについて紹介しました。

PLフィルターには反射の光を抑えたり、色鮮やかに表現するメリットがある反面、露出が下がる・レンズフードが使いにくデメリットがあります。

つけっぱなしにする方もいますが、PLフィルターは熱や高温に弱く、経年劣化が早まるので必要のない時は常に外して置きましょう。

緑・紅葉・青空などの写真を綺麗に撮るために、PLフィルターの使い方を理解してから撮ると良いでしょう。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

応援の程宜しく▼

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ABOUT ME
ことり
主に首都圏内の鉄道風景撮影地の情報を発信! 2015年一眼レフカメラを購入したのがきっかけで鉄道撮影を開始。 2015年当初は記憶写真→2016年に編成写真に移る→2017年に鉄道風景に移る→2019年11月に一度、撮影活動を休止期間を経て現在に至る。