フルサイズへの憧れ

フルサイズにaps-cレンズをつけるとどうなるの?互換性・画角・画素数・色合いは??

「フルサイズ機にaps-c用レンズをつけるとどうなるのかな?また、フルサイズ機にaps-c用レンズをつけることは可能でしょうか?」

上記の疑問に答えますね!

フルサイズにaps-cレンズをつけた場合、以下の通り▼

・Nikon・SONY・ペンタックスは装着できる。                 ・Canonは装着できない。                          ・画角はaps-cと変わらない。                         ・画素数は低下する。                            ・色合いはフルサイズのまま。

今回、フルサイズにaps-cレンズをつけた場合について以下の内容でお話しします▼

本記事の内容

・互換性・画角・画素数・色合いについて                 ・aps-cにフルサイズレンズをつけた場合について。

ことり

実写比較と図を用意した上で説明するよ!

5分程度の内容なので、フルサイズにaps-cレンズが気になる方は好きな所をタップ!

フルサイズにaps-cをつけた場合、各メーカーの互換性について

最初にフルサイズにaps-cレンズをつけた場合、各メーカーの互換性について説明します。
互換性について以下の通り。

Nikon・SONY・ペンタックスはつけられる。

日本のカメラメーカーで同じ規格のマウントでフルサイズとaps-c用のレンズを製造しているメーカーは以下4社となります▼

・Canon(EFマウント)                           ・Nikon(Fマウント)                            ・SONY(Aマウント)                            ・ペンタックス(Kマウント)

4社のうちCanonを除く、3社は構造上フルサイズにaps-cレンズを付けられます。

マウント部分を正面から見ると形状は少し異なるものの、横から見ると長さは同じなのです。

フルサイズレンズ・aps-cレンズも長さが同じなら、一眼レフ内のミラー部分に干渉しません。

フルサイズ(NikonD800E) aps-cレンズ(AF-S NIKKOR 55-300mm 4.5-5.6G)

▲実際にNikonだと上の写真のようにフルサイズにaps-cレンズは付けられます。

3社(Nikon・SONY・ペンタックス)はマウント部分の長さが同じなのでミラーに干渉せず、フルサイズにaps-cレンズがつけられるのです。

マウントとは?

簡単に言うと、レンズから本体に取り付ける部分のこと。

Canonは付けられない。

上のイラストはイメージ図

Canonのaps-cレンズ(EF-Sレンズ)は軽量化を図るため、レンズのおしり(マウント)が長く突き出した構造となります。

また、謝ってフルサイズ機に装置出来ないようにゴムやプロテクターなどがついています。

ざっくりとしたイメージは以下の感じ▼

レンズのマウントが長い分、ミラーに干渉するのでCanonはつけられないのです。

メモ

レンズメーカーの中にはフルサイズにつけられるaps-cレンズも存在する。

逆にaps-c機にフルサイズレンズをつけた場合、各メーカーの互換性について

逆にaps-機にフルサイズレンズをつけた場合、各メーカーの互換性については以下の通り。

4社全てがaps-c機にフルサイズレンズはつけられる。

4社(Nikon・Canon・SONY・ペンタックス)全てがaps-c機にフルサイズレンズが付けられます。

3社(Nikon・SONY・ペンタックス)はフルサイズ・aps-c共にマウント部分の長さは同じなのでaps-c機にフルサイズレンズが付けられます。

Canonもつけられる。

Canonの場合、フルサイズレンズ(EFレンズ)のマウント部分は短く、ゴムやプロテクトがついていません。

マウント部分の短い分、ミラーに干渉せずにつけられるのです。

一眼レフフルサイズ一眼レフaps-c ミラーレスフルサイズミラーレスaps-c
フルサイズレンズ           
(EFレンズ)
aps-cレンズ              
(EF-Sレンズ)
×
フルサイズ用ミラーレス       (RFレンズ)×××
aps-c用ミラーレス          
(EF-Mレンズ)
×××
◯=使える ×=使えない △=マウントアダプター利用で使える。

Canonの公式サイトでもフルサイズレンズ(EFレンズ)はaps-c機に装着できるようになっています。

センサーサイズとイメージサークルの関係性

実際にレンズが写し出す範囲は丸い形ですが、センサー部分が四角に切り取ってしまいます。

丸い形(イメージサークル)に写すのに対し、センサーが四角く切り取ってしまうのですね

フルサイズとaps-cではセンサーの大きさが違うので、レンズ自体の大きさも変わるのです。

・フルサイズ                                =センサーが大きければレンズも大きくなる。                                   ・aps-c機                                =センサーが小さければレンズも小さくなる。

aps-c用レンズはフルサイズ用レンズより小さい。

フルサイズ用レンズ(AF-P NIKKOR 70-300mm 4.5-5.6E 左) aps-c専用レンズ(AF-S NIKKOR 55-300mm 4.5-5.6G 右)

並べて見ると、aps-c用レンズはフルサイズ用レンズより小さいです。

aps-cレンズはaps-専用に作られているのでセンサーサイズが小さい分、レンズも小さく作られています。

レンズも小さければイメージサークルも小さくなる。

レンズが小さい分、イメージサークル自体、フルサイズレンズより小さくなります。

イメージサークルが小さければ画角・画素数にも影響します。

画角について

次にフルサイズにaps-cレンズをつけた時の画角について説明します

※ちなみにフルサイズとaps-cだと画角は違いますので【初心者向け】フルサイズと aps-cの違いを撮り比べて検証してみた。 違いは3つ!の記事をご覧下さい。

画角はaps-cと変わらない。

フルサイズにaps-cレンズをつけて撮影しても画角はaps-c機と変わりません。

上の図のように写し出す範囲(イメージサークル)が狭く、フルサイズセンサーだと外周付近は光が届きません。

光が届かない分、ケラレが発生したりクロップ(切り出し)機能で画面の中央を切り取るのでaps-c機と画角は変わらなくなるのです。

レンズ距離40㎜ フルサイズにaps-cレンズで撮影。
レンズ距離40㎜ aps-cで撮影。
使用機材

・カメラ                        =NikonD800E(写真上)                 =NikonD5300(写真下)                        ・レンズ                             =AF-P NIKKOR 18-55mm 3.5-5.6G(aps-c専用)

上の写真のように同じレンズ距離で撮っても、カメラが中央部分を切り取るので実際に並べても画角は変わらなくなります。

クロップ撮影とは?

画面の中央部だけを切り取って撮影する機能のこと。

ケラレが発生する。

先ほどお伝えした通り、フルサイズセンサーに対して、aps-cレンズの組み合わせは外周付近に光が届かないのでケラレが発生します。

ケラレがなくなるにはカメラ内のクロップ(切り出し)機能を使って中央部を切り取らなければなりません。

中央部だけ切り取る分、ケラレはなくなりますが画角はaps-c機と変わらなくなります。

最新のデジタル一眼は自分で設定せずに自動でクロップ(切り出し)撮影が出来ます。

ボケ量も変わらない。

aps-c機と画角が変わらければ、レンズ距離も変わらないのでボケ量はaps-c機と変わりません。

aps-c機と同じ画角に切り取られるので、必然的にレンズ距離もaps-c機と同じになります。

フルサイズ-aps-c-ボケの違いフルサイズにaps-cレンズをつけた場合作例2
絞りF5.6 レンズ距離55㎜ フルサイズにaps-cレンズで撮影。
フルサイズ-aps-c-ボケの違いフルサイズにaps-cレンズをつけた場合作例
絞りF5.6 レンズ距離55㎜ aps-cで撮影
使用機材

・カメラ                        =NikonD800E(写真上)                 =NikonD5300(写真下)                         ・レンズ                             =AF-P NIKKOR 18-55mm 3.5-5.6G(aps-c専用)

上の写真2枚並べてもボケ量aps-c機と変わらないことがわかります。

レンズ距離が同じになるのでボケ量は変わらなくなる仕組みです。

フルサイズとaps-cのボケ量について「フルサイズがaps-cよりボケやすいのは本当? ボケの違いを実写比較&解説!の記事で詳しく書いています。

画素数・色合いについて

次に画素数・色合いについて説明します。
画素数・色合いについて以下の通り。

画素数は下がる。

フルサイズにaps-cレンズをつけると、中央部(クロップ機能)だけを切り取って撮影するので画素数は下がります。

・フルサイズNikonD810E 左(3615万画素(有効3635万 7360×4912ピクセル)
・aps-c NikonD5300 中央(2400万画素(有効2416画素 6000×4000ピクセル)
・フルサイズにaps-cレンズ (NikonD810E×AF-P NIKKOR 18-55mm 3.5-5.6G(aps-c専用)                            (
1536万画素 4800×3200ピクセル)

実際に画素数を比較すると、フルサイズにaps-cレンズの組み合わせが一番画素数が低くなっています。

中央部だけ切り取るので自然に画素数は下がるのです。

色合い・画質はフルサイズと同じ。

同じ適正露出・ホワイトバランス設定の場合、フルサイズにaps-cレンズをつけても色合い(色の階調)・画質等はフルサイズのままとなります。

上の図のようにaps-cレンズを変えても、センサーによる光の取り込む面積(受光面積)の広さがフルサイズのままなのです。

実際に並べると以下の通り▼

ISO50(適正露出) シャッター速度1/640秒 絞りF10 ホワイトバランス 晴天日陰 フルサイズにaps-cレンズで撮影。
ISO100(適正露出) シャッター速度1/640秒 絞りF10 ホワイトバランス 晴天日陰 aps-cで撮影。
使用機材

・カメラ                       =NikonD800E(写真上)                 =NikonD5300(写真下)                        ・レンズ                              =AF-P NIKKOR 18-55mm 3.5-5.6G(aps-c専用)

上の写真のように光の取り込む面積(受光面積)の広さが違う分、同じ適正露出・ホワイトバランス設定でも色のグラデーションや明暗差が違います。

つまり、フルサイズ機にaps-cレンズをつけても色合い(色の階調)・画質等はフルサイズのままなのです。

RAW撮影の場合、純正メーカー以外だと色合いは変わらないこともあります。

画素数低下が画質を悪くするのか?

「画素数が低くなるから、画質が悪くなって悪い写真になるんじゃないの?」

と思う方もいますが

しかし
画素数高い=綺麗で良い写真
ではありません。

何故なら、画素数ではなく光を取り込む面積(受光面積)で画質が左右されるからです。

フルサイズにaps-cレンズをつけた写真の方がaps-c機により明るさ・色合いの表現力が広い感じです。

ちなみにNikonD810Eの場合、3615万画素から1536万画素へと下がります。     

ですが、1500万以上の画素数ならA3まできれいにプリントが出来るので問題はありません。

aps-c機にフルサイズレンズをつけると?

今まで、フルサイズにaps-cレンズをつけた場合について紹介しました。

では、逆にaps-cにフルサイズをつけた場合、色合い・画角・画素数は以下の通り。

画素数の低下とケラレが発生しない。

逆にaps-cカメラにフルサイズレンズをつけるとaps-cの
センサーサイズに対し、フルサイズのイメージサークル内に収まっているのでケラレは発生しません。

また、aps-cのセンサーのみで画角を切り取れるのでクロップ(切り出し)機能の必要なければ、画素数の低下もないのです。

画角と色合いはaps-cのまま

aps-cカメラにフルサイズレンズをつけると画角と色合いはaps-c機のままです。

レンズ距離70㎜ ホワイトバランス オート aps-cにフルサイズレンズで撮影。
レンズ距離70㎜ ホワイトバランス オート aps-cレンズで撮影
使用機材

・レンズ                             =AF-P NIKKOR 70-300mm 4.5-5.6E(フルサイズ専用 写真上)        =AF-S NIKKOR 55-300mm 4.5-5.6G(aps-c専用 写真下)          ・カメラ                          =NikonD5300

上の写真のようにレンズによる違いは多少あるものの画角と色合い(色の階調)はaps-c機と変わりません。

先ほどもお伝えした通り、レンズを変えても光の取り込む面積(受光面積)の広さは変わらないので色合いはaps-cのままとなります。

画角についても、aps-cのセンサーがaps-cと同じ画角で切り取るのでフルサイズレンズをつけても画角はaps-cと同じになるのです。

フルサイズレンズをつけてもaps-cの画角で切り取られてしまうため、フルサイズレンズの全てを生かすことはできない。

フルサイズにaps-cレンズをつけた場合 まとめ

今回、フルサイズにaps-cレンズをつけた場合の互換性・画角・画素数・色合いについてお話ししました。

最後に以下のおさらいしますね▼

本記事のまとめ

①フルサイズにaps-cレンズをつけた場合                ・互換性について                        →Canonは付けられない。                       ・画角はaps-cと変わらない。
・ケラレが発生する。
・画素数が下がる。
・色合いはフルサイズのまま。

②aps-cにフルサイズレンズをつけた場合                ・互換性について                          →4社全てつけられる。                         ・画角・色合いはaps-cのまま。                     ・ケラレは発生しない。                         ・画素数は下がらない。

フルサイズ×フルサイズレンズの組み合わせでないとフルサイズの画角にはならないと言うこと。

最後まで読んで頂きありがとうございました。                     応援のほど宜しくお願いします。

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ことり
主に首都圏内の鉄道風景撮影地の情報を発信! 2015年一眼レフカメラを購入したのがきっかけで鉄道撮影を開始。 2015年当初は記憶写真→2016年に編成写真に移る→2017年に鉄道風景に移る→2019年11月に一度、撮影活動を休止期間を経て現在に至る。