「一眼レフでの撮影に慣れて来たのでPLフィルターの購入を検討していますが、鉄道撮影には必要なのでしょうか?」
結論を言うと、車両メインの編成写真や流し撮り写真には必要ありませんが、列車と風景を絡めた鉄道風景写真にPLフィルターは有効です。
・PLフィルターとは何か?
・鉄道風景写真だと表現が広がる理由。
・編成写真や流し撮りに必要のない理由。
・PLフィルターを使用した鉄道風景写真の作例
今回、PLフィルターが鉄道風景写真で表現が広がる理由とおすすめなシーンを作例で紹介します。
実際に私も鉄道風景では良く使ってます。
PLフィルターとは?
PLフィルターとは偏光フィルターのことで主に光の反射を抑えたり、調整する効果があります。
PLフィルターには「PLフィルター」と「C-PLフィルター」の2種類があります。
C-PLフィルターとは円偏光フィルターと言い、現在市販されているほとんどがC-PLフィルターです。
C-PLフィルターはデジタルカメラ側のミラーとの干渉を防ぐために改良したのがC-PLフィルターで、主に一眼レフやミラーレス(最新型)用に開発されています。
ミラーに干渉するとオートフォーカス部分に光が通らなくなるので、一眼レフやミラーレス(最新型)の方は必ずC-PLフィルターをお使い下さい。
PLフィルターはPolarized Lightの略 C-PLフィルターの「C」はサーキュラーのことを意味する。
ちなみにPLフィルターの効果・使い方などが知りたい方は「【初心者必見】PLフィルターのデメリット・効果・使い方・寿命・注意点などを紹介!」の記事をご覧下さい。
PLフィルターがあると鉄道風景において表現の幅が広がる。
鉄道風景だと列車と風景を絡めたのがメインとなるのでシーン別により表現の幅が広がります。
例えば、青空や海のある鉄道風景シーンだとPLフィルターを装着することでより青空や海の色が青くなり、鮮やかな鉄道風景の作品が表現できます。
シーン別により鉄道風景にPLフィルターは必須なアイテムです。
鉄道風景を撮る際は必ず、カメラバックに1枚入れておくと良いでしょう。
編成写真や流し撮りには必要ない。
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鉄道写真と言ってもシャッター速度が重視される編成写真や車両メインの流し撮り写真にPLフィルターは必要ありません。
編成写真の場合
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編成写真の場合は露出が暗くなってしまい、高速シャッターが切れなくなるからです。
また、車両がメインとなるので装着してもしなくても大して変わりません。
例えば、高速で走る新幹線だと最低でも1/1000秒以上のシャッター速度が必要となります。
しかし、PLフィルターを装着すると露出は下がるので必然的にシャッター速度も1/500秒や1/250秒にシャッター速度が下がるのです。
編成写真だと車両メインなのと高速シャッターを求められるのでPLフィルターは不利となります。
流し撮りの場合
流し撮りの場合は露出を下げる目的となるので、PLフィルターではなくNDフィルターで充分効果は発揮します。
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仮にPLフィルターを装着し露出が下がるとしても、前枠(回転枠)回して反射を調整することはないので装着しても意味がありません。
流し撮りだと露出を下げるのがメインなので、1枚構造のNDフィルターで充分です。
鉄道風景シーンにはC-PLフィルターがおすすめ!
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鉄道風景シーンだと一眼レフを使用するのでC-PLフィルター(円偏光フィルター)がおすすめです。
PLフィルターだとカメラ側のミラーが干渉し、オートフォーカス部分が正常に作動しなくなります。
結果、露出が暗くなったり、ピントが合わない現象が起こるのです。
仮に一眼レフでPLフィルターを使うと、ピントが合わなかったり‥ピンぼけ写真になったり‥露出が暗かったりということが起きます。
鉄道風景を撮る際は、必ずC-PLフィルターを使用するのがおすすめです。
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PLフィルターがおすすめな鉄道風景シーンを作例で紹介!
次にPLフィルターがおすすめな鉄道風景シーンを作例つきで以下紹介しますね▼
・青空
・海
・桜
・緑
・川や湖などの水面
ちなみに装着有りと無しでの比較で紹介します。 ※あくまでも作例なので参考程度に見て頂ければ幸いです。
PLフィルターを使うと露出は1-2段暗くなりますが、ISO感度を高くすればシャッター速度は維持できます。
青空
青空バックの鉄道風景を撮影する際にPLフィルターは有効です。
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PLフィルターを装着すると大気中の反射や露出を抑えられるので、青空がより青くなり深みのある青色となりました。
青空バックの場合、撮影者と太陽の位置や偏光成分の多さから順光時間が最もPLフィルターの効果が発揮される。
海
海のある鉄道風景を撮影する際もPLフィルターは有効です。
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大気中の反射や緑の反射が抑えられたことで、海本来の色が出ており全体的に鮮やかな感じになりました。
また、霞みも少なくなり写真上部に映る山々も見えるようになりました。
青空の青色に反射して海が青くなるので晴れの日の順光時間が最もPLフィルターの効果を発揮します。
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撮影条件が揃えば水面の反射も除去できるので、よりエメラルド色の海のある鉄道風景が撮れます。
今回、作例で紹介した撮影地の詳細は【京急線の絶景撮影地!!】海が見える撮影をスポットを紹介!(京急長沢付近の俯瞰にて)の記事でご覧下さい。
山々の背景
背景に山々が見えるシーンでも、PLフィルターは効果を発揮します。
今回、富士山と山の背景の2つに分けて紹介しますね!
富士山の背景
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太陽の位置・露出・大気中の反射を抑えたことで、有りと無しでは富士山の写り方にはっきりと違いが出ます。
PLフィルター無しの方は多少、富士山の山肌がぼんやりしています。
一方、PLフィルター有り(効果大)の方は富士山の山肌がはっきりと写っており、全体の色彩コントラストも高い感じです。
山の背景
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さほど変わりませんが、太陽の位置や大気中の靄を少し抑えたことで背景の山に青みが増し、少し山肌がはっきりと写るようになりました。
PLフィルター無しの方は背景の山に少し赤みがありましたが、PLフィルターを装着することで赤みが消えて青空も少し青く写っています。
縦と横では角度により効果は異なるので撮る前に一度、ファインダーで確かめておくのが良いでしょう。
桜(応用編)
青空バックの場合、桜と鉄道のコラボにもPLフィルターは有効です。
今回、桜は応用編としてPLフィルター+カメラの設定した上で、有り無しで作例を比較します。
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空の青さは残っていますが、桜の花びらに光が当たってなない所もあり全体的に暗い感じです。
有りの方は露出補正しているが空の青さも残りつつも、桜の花びらは明るくなっています。
露出補正とPLフィルターのおかげで全体的に爽やかな春の感じになりました。
緑
新緑や深緑の鉄道風景にもPLフィルターの効果は発揮します。
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葉の反射や露出が少し抑えられたことで、より鮮やかな感じとなりました。
緑の鉄道風景だと曇りの日や俯瞰撮影でもPLフィルターは有効です。
川や湖などの水面
晴れ・曇りの天気に関係なく川や湖などの鉄道風景にPLフィルターは有効です。
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水面の反射を抑えられたことで、左側にある反射光が消えて川の中も少し見えるようになりました。
PLフィルターは反射を調整するフィルターなので、葉や水面の反射を調整・除去するのが最も効果が発揮されます。
効果を強すぎると反射が完全に消えてしまい不自然な写真となります。
今回、作例で紹介した撮影地の詳細は【西武秩父線の絶景撮影地!!】 武蔵横手-東吾野間の撮影ポイントを紹介!の記事をご覧下さい。
今後も作例が撮れ次第、随時更新する予定です。
作例に使用したPLフィルター
今回、作例に使用したPLフィルターの以下の通り▼
・KenkoPRO1D C-PLワイドハンド(55㎜)
・KenkoPRO1D C-PLワイドハンド(58㎜)
・KenkoPRO1D C-PLワイドハンド(77㎜)
(MARUMI ステップアップリンク 67-77㎜を使用)
まとめ
今回、PLフィルターがおすすめな鉄道風景シーンを作例で紹介しました。
鉄道撮影では随時使うものではありませんが、主に青空や湖や川などの鉄道風景シーンだとPLフィルターは有効です。
色彩を鮮やかに表現したり、反射する光を調整する効果があるので、列車と風景を絡めた鉄道風景では表現の幅は広がります。
鉄道撮影写真にPLフィルターの購入を検討している方は今回の作例を参考に活用してみて下さい。
ではまた!
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